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しまんちゅ図鑑

東マンゴー園 東孝一さん

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マンゴー栽培、養蜂、ジャムやはちみつの製造販売を営んでいる東マンゴー園。

2年前にオープンしたシェアハウス「ハニーカム」では、農園のアルバイトにくる方や、移住を希望する方の家が見つかるまでの滞在場所として、日本全国からやってくる若者の受け入れもされています。
園主の東さんに、マンゴー農園を始めたきっかけや日々の仕事のこと、これから目指していきたいことについて熱い思いとこだわりを語っていただきました。


事業者名 東マンゴー園
お名前 東 孝一(ひがし・こういち)さん
業種 青果生産・青果販売・養蜂業・食品加工製造販売・賃貸業(シェアハウス)
関連サイト1 東マンゴー園無人販売所
https://okinoerabujima.info/restaurant-shop/1129
関連サイト2 おきのえらぶ島観光協会ネットショップ
https://okinoreabu.theshop.jp/
  

ミツバチと共にマンゴー栽培

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おきのえらぶ島観光協会(以下、観光協会):東マンゴー園の歴史から教えてください。マンゴー農園を始めてどれくらいになりますか?
園主東さん(以下、東さん):
マンゴー栽培を始めたのは25年くらい前ですね。その前は公共事業の運送業をやっていたのですが、事業が減ってきて夏休みがどんどん長くなっていったので、他に何か仕事になるものがないかと考えて兼業農家になろうと。それでマンゴーをやってみようと思い、始めたのがきっかけです。
今から15年くらい前になりますが、まずは自分でハウスを建てるところから始めて、だんだんと大きくなってきたので運送業を辞めて専業にすることにしました。ミツバチに出会ったのもそれくらいの頃です。


観光協会:ミツバチとの出会いについて詳しく教えてください
東さん:
ミツバチを越冬させるために大規模養蜂家の方が沖永良部に来ることを聞き、そのミツバチをマンゴーの受粉に使えないかと相談しました。そうしたらその養蜂家のオヤジさんがとってもいい方で。飲みに行こうよということになり、色々話をしました。
そこから2~3年は丁稚奉公のように養蜂家さんのところで草を刈ったり、蜂を運ぶ仕事をお手伝いしていたら信用してもらえるようになって。そのような流れで技術を教えてもらうことができ、試行錯誤を続けていくうちに今では自分で養蜂までできるうようになりました。
 

観光協会:養蜂していてハチに刺されることはないですか?
東さん:
ハチには毎日刺されます。ミツバチの出荷は今(2月)が繁忙なので忙しいですよ。この通りぐったり(ぐったりという表情をしてくださいました・笑)。
養蜂は技術が必要なのと、生き物なのでしっかり管理をしないといけないですから、マンゴー栽培の手伝いとは異なり、誰でも彼でもには教えることができないんです。

 

繁忙期を支える島外からのアルバイトとシェアハウス

繁忙期を支える島外からのアルバイトとシェアハウス-0
繁忙期を支える島外からのアルバイトとシェアハウス-1

観光協会:繁忙期のアルバイトを島外からも募集しているとのことですが、どうやって求人募集しているのですか?
東さん:
マンゴー栽培の工程では、5月から「傘がけ」「袋がけ」と呼ばれる作業を開始するのですが、その時期くらいからとにかく人手が必要になってきます。
現在、アルバイトの募集はInstagramのDMからしか受け付けていませんが、以前アルバイトで来てくれた人がリピーターで来てくれることもあります。
自分でシェアハウスを作るまではじゃがいも収穫に島に来たアルバイトの方をじゃがいも作業終了後に紹介してもらったりしていたのですが、人探しにはずっと苦労していました。シェアハウスを始めてから安定的に人が来てくれるようになって、経営の幅が広がったなと感じています。


観光協会:島外からアルバイトに来る方はどんな方が多いですか?
東さん:
いろんな人が来ますね。中にはふらりと旅に出てここにたどり着いたという子もいて、日本全国から来てくれるアルバイトの方から聞く話はとても面白いです。
農業経験がある人はそんなにいないのですが、教え甲斐のある若者と一緒に働けるのはこちらにとっても楽しいですし、やりがいを感じています。若い方からこちらが教えてもらうことも多いですね。
アルバイトはフレックス制で、暑い時期の作業になることが多いので、午前中は仕事をして昼間の一番暑い時間は休憩を取ってもらって。それで夕方また作業するという仕事の仕方をする日もあります。熱中症予防などの体調管理がとても大事なので、自分で自分の健康を管理できる子は助かります。
収穫の繁忙期は、ここだけの話「鬼の園主」になりますよ(笑)。 本当、それくらい忙しいので。でも夜は事務所の倉庫で宴会したりと、忙しい中でもみんなで楽しむということも忘れずにいます。

観光協会:シェアハウスではどんなルールがありますか?
東さん:
シェアハウスは4室に分かれています。男女問わず入居可能なので、寮父という立場としては女性が過ごしにくくならないよう、その時点の入居状況を見て部屋を調整しています。入居条件というか、ルールとしてはちゃんと掃除ができる人ということくらいですかね。

商品の販売

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商品の販売-1

観光協会:通年販売しているマンゴーコンフィチュール等の加工品は島外でも購入できますか?
東さん:
昔は島外の百貨店に卸していたこともあったのですが、加工品の開発・製造というのは大変なエネルギーを使う割には、正直ものすごく実になるというわけでもなくて。
今は自社事業の基本でもあるマンゴー栽培と養蜂にしっかりと力を注いでいきたいなと考えているので、島外の実店舗には卸していないんです(※島外の方はぜひネットショップよりご購入ください)。


観光協会:2月10日に「無人直売所」がオープンしましたが、どのようなきっかけだったのでしょうか?
東さん:
メインの仕事は農家なので、やっぱり畑にいることが多くて。そうすると観光で来られたお客さんからお問い合わせをいただいてもなかなか対応することができませんでした。
そういった状況もあって、お客さんのタイミングでいつでも買いに立ち寄っていただけるように無人直売所をしてみようかなと。今後は、季節限定にはなりますがマンゴー青果も無人販売できるようにしたいなと思っています。
あと、これは無人販売ではないけれど、マンゴージュースやフラッペ等の期間限定飲食店を今年6月~8月にオープンする予定にしています。この期間限定飲食店は昨年プレオープンとして営業してみたのですが、かなり多くのお客さまが来てくださって手応えを感じました。私のInstagramを見て来店くださった方もいて、毎日どうでもいいような些細なことを投稿しているのですが、けっこう宣伝効果もあったのかなと嬉しくなりましたね。

東さんの今後の展望

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観光協会:最後に、東さんの今後の展望をお聞かせください
東さん:
「地域貢献」がこれからのテーマです。
移住者を増やしたいなと思いますし、移住の一歩手前のところに自分なりに協力できたらと思っています。この島に来られた方、関わってくださった方にえらぶを好きになってもらいたいし、東マンゴー園を好きになってもらいたいです。せっかく島に来てくれたのに嫌いになって帰ってもらいたくないですから。
地域貢献というと偉そうだし大仰に聞こえるかもしれないけれど、何かきっかけになればいいなというくらいの感覚ですね。
移住につながってくれれば一番嬉しいですけれど、移住ではなくても、マンゴーの季節になったらまたここに来てくれるとか、そんな風に繋がってくれる人が増えればといいなと思っています。

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