特集
花を知り、花を愛でる旅
花卉栽培が盛んな「花と洞窟の島」おきのえらぶ島。代名詞でもある「えらぶゆり」の歴史や島内で栽培し、出荷されている主な品種や島に自生している植物などを紹介いたします。
ほのかな香りただよう真っ白な花、えらぶゆり。
えらぶゆりの生まれ故郷は、南の海に浮かぶあたたかい「おきのえらぶ島」はテッポウユリの原産地。春先には自然のゆりが咲き誇り見る人のこころを癒す美しい島です。おきのえらぶ島のテッポウユリは「えらぶゆり」として多くの人々に愛されてきました。
そんなおきのえらぶ島でゆりの栽培がはじまったのは、なんと100年以上前。
1899年(明治32)にイギリスの貿易商人「アイザック・バンティング氏」がおきのえらぶ島に咲く自然のゆりを発見しました。その美しさに感動し「この球根を大切に育ててください。必ず私が買い取りに来ますから」そう言い残してイギリスへ帰国した彼の言葉を信じて、島の農民は大切に百合の球根を育てたのがきっかけと言われています。それまで島のゆりは雑草同然の扱いでしたが「イースターリリー」として輸出され、世界的に有名な花となりました。おきのえらぶ島の人々はたゆまぬ努力を積み重ね、変わりゆく時代のなか、時には戦火からも球根を守り、大切にえらぶゆりを育ててきました。
バンティング氏とユリの運命的な出会い
19世紀から20世紀初頭、ヨーロッパはかつてない園芸熱の高まりを迎えていました。とりわけ日本の草花は人気があり、バンティング氏もそのプラントハンターの一人でした。そんな中、大きな台風の影響でバンティング氏が乗った船が島の沖合で難破、漂着した沖永良部島で野生のテッポウユリと運命的な出会いを果たしました。
えらぶゆり これまで100年、これから100年笠石ゆり園のゆりの品種
100年の時を超えて守り継がれてきたえらぶゆり。
この島の宝を100年先に受け継ぐために、島では新品種の開発や更なる生産技術の向上など、様々な新しい取り組みがすすめられています。新しい品種のユリは、すでに植えられていた「日の本」や「スカシユリ」と共に美しい花を咲かせ、ユリ園に訪れた多くの人々の目を楽しませています。鑑賞に向けて品種の名前を覚えておくと楽しみが増えますよ!
日の本(ひのもと)
昭和40年頃に、屋久島の自生ゆりを、福岡県の中原喜右衛門が育成し、できたゆり。現在、様々な品種がありますが、日の本は花容、葉姿が良好であり、耐病性が高く一番多く流通している品種です。
スカシユリ
オランダから輸入しているゆり。ゆりの中で、上向きに咲く花は珍しく、様々な種類と色があります。日当たりを好み、栽培しやすい品種です。花びらの付け根が細く、隙間が見えることから「透かし」ゆりと呼ばれています。
植村青軸(うえむらあおじく)
明治時代に、玉城字の前田植村氏が選抜した最も古い品種のゆり。玉城字では長く栽培され、球根のしまりが良く栽培しやすい品種です。
ロートホルーン
バイオテクノロジーを使って、胚培養から育てたゆり。花色がアントシアン色素によってピンク系の可愛らしい品種です。
長太郎(ちょうたろう)
明治時代に東京の内山長太郎氏が育成したと言われているゆり。葉の縁に美しい白い斑が入っており、花だけではなく葉も楽しめる品種です。
プチホルン
近年、鹿児島県が育種したゆり。花径が10㎝程度と小輪で、葉も小さく全体的にコンパクトな可愛らしい品種です。
ジョージア
昭和29年にアメリカから逆輸入された戦後の輸入ゆりの代表的なゆり。多花性で1本に20~30輪の花が咲く豪華な品種です。
佐伯(さえき)30号
昭和30年頃、佐伯農園が種子島の野生種から選抜されたゆり。花びらの厚い切り花品種として栽培されてきました。
トライアンファター
オランダから導入されたゆり。「オリエンタル」との交配種で、花弁の中に赤色が出るとてもきれいな品種です。
えらぶ白星(しらほし)
「日の本」と「シンテッポウユリ」を交配した品種。花は丸みを帯びていて優しい印象の花が咲きます。
凛(りん)
「日の本」と「シンテッポウユリ」を交配した品種。花は少し上向きで名前のごとく凛とした形をしています。
エラブの光(ひかり)
喜井利一氏が育成し、農林品種登録されたゆり。葉は広く厚く、葉数がやや少ない。花は純白大輪で早生の品種です。
えらぶの彗星(すいせい)
喜井利一氏が育成し、農林品種登録されたゆり。開花は「日の本」より露地で2週間程早く、大輪で花容、葉姿良好な品種です。
リイイチ
和泊町でゆりの第一人者である喜井利一氏が育成し、農林品種登録されたゆり。花弁根本の色が浅緑黄色、花も上向きな品種です。
えらぶゆりの球根
7月上旬にえらぶゆりの球根の掘り取り作業が行われ、球根の販売が開始します。秋口になるとゆりの植付けが行われ冬を越し4月下旬~5月上旬にかけて360℃大きな大輪の花を咲かせます。沖永良部島で出回っている球根のほとんどが、えらぶゆりを代表する品種である日の本(ひのもと)です。気品高く、大きく開花するのが特徴。長く日本中で多くの人に愛されてきました。
おきのえらぶ島の花紹介
花き栽培が盛んなおきのえらぶ島。島内で栽培し、出荷している主な品種を紹介いたします。
詳細についてはパンフレットよりご確認いただけます。
おきのえらぶの花を買う
おきのえらぶ島のお花を販売しているお店のご紹介。店頭販売では、全国発送も承っている他、インターネットでご注文を受付しているお店もありますのでどうぞお気軽にお問い合せ下さい。※季節によっては取扱いがない商品もございます。
花と触れ合うツアー
農家さんの案内が無ければ、なかなか足を踏み入れることの出来ない花栽培の現場へ!!
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