観光スポット

さたごや(わどまりちょうりつおおじろしょうがっこう)

さた小屋(和泊町立大城小学校)

みんなでつなぐ、みんなでつながる、みんなのサタ小屋
沖永良部島のサトウキビ栽培と黒糖づくりは、江戸時代後期に導入されました。
 かつては島のいたる所に「サタ小屋(砂糖小屋)」と呼ばれる黒糖づくりを行う小屋があり、サトウキビの収穫時期になると、サトウキビから糖液を絞り出すための「サタ車(ぐるま)」をひく牛の姿が見られました。
しかし現在はこのような昔ながらの伝統的な黒糖づくりの作業はほとんど途絶えており、大型製糖工場による製糖加工が主となっています。  

1987年11月、大城小学校PTAと地域住民が中心となり、伝統文化である黒糖づくりを守り伝えていくために、小学校の敷地内にサタ小屋を完成させました。完成翌月には子どもたちによる最初の黒糖づくりが行われ、現在も毎年1回、地域住民とともに黒糖づくりが続けられています。
およそ10年に1度、大城小学校PTAと地域住民の協力によりかやぶき屋根の葺き替えも行われており、多くの人々の関わりによって黒糖づくりの伝統が受け継がれています。  

大城小学校では、毎年1月頃に、このサタ小屋を使った昔ながらの黒糖づくりが行われています。子どもたちの手で校内の畑に植えられたサトウキビをPTAや地域住民で刈り取り、サタ車を子どもたちが人力でぐるぐると回して糖液を絞ります。
その後、搾り取った糖液を大釜で煮詰め、石灰を入れて黒糖を作ります。  
地域住民みんなで行う共同作業によって、黒糖づくりの伝統文化とともに、住民同士が助け合いながら暮らすつながりの心も未来に引き継がれています。

【エラブ世間遺産登録 No.7】

「世間遺産」とは?
誰の心の中にもある「大切なもの」「未来に残したいもの」を世間遺産と呼んでいます。
「世界遺産はユネスコが決定しますが、世間遺産は、日本の市民が、そして私たち自身が探し出して決めることができる大切な宝物・遺産」(世間遺産公式オフィシャルページ)とあるように、それを決めるのは、地域に暮らす人々やその場所を訪れた人自身です。
あたりまえすぎて見過ごされていた町並みや景色、建物、人など、自分たちの身近に存在する何気ない宝物に光を当て、その価値を再認識することで、自分たちの生活を見直し地域の再生にもつなげていこうとするもので、そのような場所や、場所を残していこうとする活動自体が「世間遺産」と呼ばれています。

2025年2月、集落の皆さんが昔から大切にしてきた文化や、島民の素朴な暮らしを感じられるようなものに光をあて、後世に受け継ぎ残していきたい場所を『エラブ世間遺産』として認定しました!

基本情報

住所 〒891-9125 鹿児島県大島郡和泊町大城650(大城小学校敷地内)
電話番号 0997-92-0075(大城小学校)
料金 無料
アクセス 沖永良部空港から車で約18分/和泊港から車で約11分
駐車場 さた小屋手前に数台駐車できます
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