島で最も美しいとされるトゥール墓。
「チュラ＝美しい/トゥール=岩壁や洞穴を利用したお墓」という意味です。

宗家と豊山家の先祖が眠る琉球式の立派なお墓で、世之主の墓を作りにきた琉球の石工が造った、などとも言い伝えられています。

世之主の墓を造るために島に滞在していた琉球からの石工は、宗家と豊山家に接待を受け、両家のお墓を作ることも約束しました。ところが完成してみるとこの両家の墓の方が世之主の墓よりも立派で綺麗なものとなってしまい、これが原因で石工は琉球に戻ったのちに処刑されてしまった、と言われています。

この話はチュラドゥールの石積み技術がいかに素晴らしいものであるかを伝えるものであり、残念ながら歴史的史実に基づいた話であるとの検証はされていません。ただこの墓にはそれくらい、人々の想像をかきたてるような存在感があります。

墓の中央の入り口を挟んで東と西には、首里王府から島に派遣された役人の家系であるとされる宗家・豊山家一族の日本式墓石が並び、チュラドゥールの墓室は現在もなおこの家系の方々が納骨堂として使用しています。

世之主のお墓にある駐車場から50mほど降り、県道に出る少し手前の小道を右に入ってほどなくして到着します。

今も世之主ゆかりの一族の方がお墓として使用されている場所です。見学の際には使われている方々へのご配慮を心がけてくださるようお願いします。